つづき
毎年お盆の夜に、家族で先祖の話を聞く
こんな引き継ぎみたいな事をするようになってきた
そんな中のひとつのお話
半世紀以上前
僕のおじいさんはイカ釣り船に乗り漁に出た
沖へ出る時か漁から帰る時か、船はひっくり返り
船員全員が早春の冷たい海に投げ出された
揚げられた場所が小舟渡という場所
船員のうち、おじいさんを含め2人しか助からなかったというお話
生前のおばあさんは何年かに1回、思い出したように
その小舟渡という岩場に赴き、花や線香をあげて拝んだ。
当時のライフジャケットなのか、なにかを羽織っていたから
おじいさんは助かったのだと、お使い運転をした母が聞いていた。
おじいさんが生きていなかったら
今の僕の在りようは、想像も出来ないほど変わっていただろうと思う
戦争や災害、事故から喧嘩まで、
そんなギリギリの生死のうえに この世の人がそれぞれ
繋がり生きているのだと思い、感謝の思いで先祖に拝んだ
ゴツゴツした岩場しかない小舟渡の光景を思い出して